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カゼにかかったら




診察でよく親御さんに尋ねられる「普通の”カゼ”ですか?」というフレーズ 。




私の返事は、特に気になるところがないお子さんには、「そうですね。今のところ」とお答えします。そして「カゼの症状に合わせたお薬を出しますね。」と続けます。


カゼの原因


鼻水・鼻づまり・のどの痛み・発熱・嘔吐・下痢・・・よくあるお子さんの症状の多くは

「風邪症候群」と呼ばれるいわゆるカゼであることが多いです。

お子さんの「カゼ」の9割が、何らかのウイルス感染が原因と言われています。

例えば、ライノウイルス・パラインフルエンザウイルス・RSウイルス ・エンテロウイルス・ノロウイルス・・200種類以上あると言われています。



カゼを治すお薬とは・・


「カゼ」を治す治療薬は 実はありません。タミフルなど一部のウイルスに対する薬はありますが、一般のカゼには効果が期待できません。また、抗生剤はウイルスではなく

細菌に対する治療薬ですので、こちらも効果が期待できません。


では、どうやってカゼは治療するのでしょうか?


 それは、患者さん本人の治す力に頼っています。良く眠って 体力を回復し、カゼを乗り切ります。病院では、カゼによっておこる不快な症状を少しでも和らげるため、症状に合わせたお薬を処方します。これがいわゆるカゼ薬となります。


カゼだと思って様子をみていたら…


カゼではなくて細菌感染だった、カゼの途中で細菌感染を合併した、といったことがおこることもあります。

のどの痛みの原因が溶連菌だった!下痢は細菌性胃腸炎だった!中耳炎になった!などです。

とりわけ小さなお子さんは カゼが長引くと 中耳炎や副鼻腔炎、肺炎を合併しやすくなります。こういった場合には、その病気にあった種類・量・期間の抗生剤を処方し、正しく飲めるようにお願いします。


抗生剤が処方されたら…


決められた回数・決められた日数 正しくお薬は飲んでください。正しく飲めない場合、

「薬剤耐性菌」と言ってお薬が効かない強い細菌が発生することがあり、これが問題となっています。大病をしたときに、効くお薬がないと 困ってしまいますね。




大学病院での勤務を終え、地域の基幹病院で働くようになった時に指導していただいた先生の言葉が私の小児科医としてのポリシーになっています。「内科の先生とのちがいの1つは、お子さんの病気の展開を説明できること」

カゼといっても前述のように沢山のバリエーションがあります。気になるお子さんには、「この症状があるときは、いつ頃、こういうことに注意してね」「こういう時にはもう一度来てね」などお声を掛けます。小児科専門医としての矜持ですね。



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